- 姫路城・大天守の内部を徹底解説!知られざる防衛の秘密と見どころを階層別に紹介
- 姫路城大天守を徹底解説!地下から最上階まで、武者走りや石打棚など各階の見どころと防衛の仕掛けを写真付きで紹介。世界遺産・白鷺城の内部構造と観光のポイントを完全ガイド。
美しさと迫力を兼ね備えた日本最高峰の城郭建築、姫路城
姫路のシンボルとして街を見守り続けてきた姫路城。400年以上の時を経て、今なお威風堂々とそびえ立つ天守閣の姿は、訪れる人々の心を奪って離しません。
純白の壁に覆われた優美な姿は「白鷺城」の別名で親しまれ、1993年には日本で最初の世界文化遺産の1つとして登録。2015年には5年半にわたる平成の大修理を終え、さらに美しい姿を私たちの前に見せてくれています。
城郭建築としての価値はもちろんのこと、日本の伝統技術の粋を集めた美しさ、そして今も現存する貴重な天守閣としても、姫路城は他の追随を許しません。
また、姫路城は、国宝、重要文化財、日本三名城、日本100名城にも指定・認定されており、当然のことながら、日本国内での評価も非常に高い城です。
今回は、そんな日本が世界に誇る名城・姫路城の見どころを、城郭建築の視点から美しさの秘密に迫りつつ、観光に役立つ情報とともにご紹介していきます。桜の季節の魅力や、アクセス方法まで詳しくお伝えしますので、姫路城観光の計画にぜひお役立てください。
日本随一の美しさ!大空に羽ばたく白鷺城
姫路城の最大の見所であり魅力の 1 つは、その美しさです。
姫路城は別名「白鷺城(はくろじょう・しらさぎじょう)」とも呼ばれています。姫路城は、白漆喰総塗籠(しろしっくいそうぬりごめ)という方法で、外壁を白漆喰で塗籠めるだけでなく、屋根瓦の目地にも白漆喰を施した結果、天守群がまるで翼を広げたシラサギのように見え、いつしか姫路城下の人々は親しみを込めてそう呼ぶようになりました。
連立式天守が織りなす造形美
姫路城は、「連立式天守(れんりつしきてんしゅ)」という形式で天守が構成されています。
連立式天守とは、天守、小天守、櫓を四方に配置して渡櫓でつなぐ天守の構成形式です。建物で仕切られた中庭ができるのが特徴で、防御力が非常に高いと言われています。姫路城も、大天守を中心に、東小天守・西小天守・乾小天守の 3 つの小天守が渡櫓でつながっており、連立式天守を形成しています。
つまり、天守閣がドカンと 1 つあるだけでなく、その周囲を小さな天守や櫓が取り囲んでいるような構成になっています。この場合、景観として建物と建物の重なりが生まれるため、より繊細で複雑な造形美や、より重厚感を感じられるため、非常に美しく見えるのです。
実際に姫路城の天守群は、堂々とした 5 重 6 階の大天守を中核として、3つの小天守が渡櫓で有機的につながっています。重なり合う瓦屋根の上に千鳥破風や唐破風が配され、純白の漆喰壁と調和しながら、優美な建築美を作り出しています。コンピュータも無かった時代に、大きな建造物の重なりで幾何学的な美しさを感じられる点も、匠の技が光ります。
空に映える漆喰の白、そして連立式天守という、大天守と複数の小天守からなる構造が、単体の天守閣よりもより複雑で繊細なディティールを作り上げ、美しく、見応えのある城を作り上げています。「姫路城が美しい」と言われるのはこういった点にあります。
是非、遠くから、そして近くからの両方で姫路城を眺めてみてください。
現存十二天守!天守閣が超貴重です
日本の城には、現存している天守閣が十二しかないことをご存知でしょうか?「現存している」というのは、築城当時の姿をそのまま留めていることです。日本は震災や戦災で天守閣が消失し、後に復元されたものも多くあります。
姫路城は、その貴重な現存する十二の天守の中の一つです。一般に「現存十二天守」と呼ばれます。1609 年の建設以来、幾度の震災や戦災を逃れ、補修を重ねつつ、現代にもその美しい姿を留めています。
ぜひ実際に姫路城の天守閣に入ってみてください。経年による木の風合いや、巨大な自然木を使った横木など、400 年の歴史を感じていただけるはずです。
なお、姫路城天守閣については、以下で詳しく紹介していますので後でご覧になってみてください。
姫路城天守閣について詳しく見る
また、現存十二天守については以下の記事で詳しく紹介しています。
現存十二天守について詳しく見る
姫路城への最初の一歩から楽しんで!桜門橋と大手門
ここは姫路城の正面入口、桜門橋です。姫路城を訪れたら誰もがまず降り立つ場所がここです。この桜門橋を渡ることが、姫路城観光のスタートになります。遠くに天守閣が見えて、景観も素敵ですよ。人気のフォトスポットでもあります。
そして、この桜門橋を渡るとまず現れるのが「大手門」です。大手門は来客を迎える最初の門として、城主の威厳を示したりするため大きく重厚感があり、堂々としている門が多いです。一定規模以上の日本の城には必ず設けられています。
姫路城の大手門は 1938 年に復元されたもので、非常に大きく、重厚感のある門になっています。姫路城の大手門も例に漏れず城の顔として威風堂々とそ私達を迎えてくれます。特に、扉を良く見てみてください。このサイズ感の扉となると、非常に大きく、重厚感もすごいですよ。復元されたとはいえ既に 90 年が経過しようとしています。木の風合いもとても素敵です。
日本の城では最大級!難攻不落の巨大迷路
姫路城は、天守閣までの道のりの中で、遠回りやダミーの道がいくつも用意されており、簡単には天守閣にたどり着けないように設計されています。これは実際に敵が攻めてきたときの防御を考えてのことです。
私たちが観光する際はきちんと目印や案内板がありますので迷うことはありませんが、それでも、他の城に比べたら天守閣までの道のりがとても長いのが特徴です。
しかしこれが反対に、見所であり魅力の一つになっています。城内の美しい日本と城の風景を全身で感じながら散策できるからです。実際のところ、日本の城でここまで天守閣までの道のりが長い城はそうそうありません。
道中は、城壁で囲まれた細道や小さな門などをいくつも通過するのですが、本当に戦国時代にタイムスリップしたのではないかと感じられるほどの没入感を体験できます。
姫路城は広い!所要時間は 2 時間程度を見ておこう
姫路城観光の所要時間ですが、三の丸広場、西の丸庭園、そして天守閣。これらをゆっくり巡るなら 2 時間は必要です。
旅のプランを計画する歳は、姫路城の滞在時間を最低 2 時間で確保しておけば、その後の計画が押さなくて済むと思います。
姫路城は天守閣そのもの以外にも、広場や庭園から見た姫路城全体の風景もとても美しいです。是非十分な時間を確保して姫路城を楽しんでくださいね。
姫路城は桜の名所!春が最も彩り鮮やかに
姫路城は桜の名所でもあります。春になると、三の丸広場や西の丸庭園などに約 1,000 本の桜が咲き乱れ、白壁の姫路城とのコントラストが非常に美しいです。
桜の見頃は例年 3 月下旬から 4 月上旬頃。「さくら名所 100 選」にも選出されており、桜の時期はより多くの観光客で賑わいます。
姫路城の行き方
姫路城は、新幹線も停車する姫路駅から近いところにあります。姫路駅の姫路城口(北口)を出て、北に伸びるメインストリートの先、一本道の先に姫路城があるため、アクセスは非常に簡単です。姫路駅からも、姫路城が見えます。
姫路駅から徒歩でも 15 〜 20 分程度でアクセスが可能ですが、オススメはバスです。理由は、到着まで早い(5分程度で到着)、簡単に乗れる(乗り場で迷わない)、頻繁に発車している(5分に一本間隔)からです。
姫路駅の姫路城口(北口)を出ると、すぐ左手にバスターミナルがあります。
バスターミナルには、全部で 1 番〜 22 番の乗り場がありますが、その中の 6 番〜 10 番乗り場に来るバスならどれでも良いので乗りましょう。
これらのバスは全て「姫路城大手門前」というバス停で停車しますので、そこで降りれば姫路城へアクセスできます。
バス停を下りたら、目の前はもう姫路城。乗車時間は 5 分弱、5 つの乗り場から頻繁に発車しているので時刻表を確認しなくて良く、待ち時間も 5 分程度でどこかのバスに乗れるため、バスはとにかく簡単です。姫路城への最もオススメする行き方です。(料金は大人 210 円、小人 110 円)
帰りのバスも「姫路城大手門前」から
姫路城から姫路駅へ戻る場合も、バス停は「姫路城大手門前」から乗車します。ただし、姫路駅方面の姫路城大手門前バス停は行くときに下りた場所ではなく、大手前公園の北側の道路沿いにありますので、ここに停車するバスの乗れば姫路駅へ帰れます。
バスは大体、15 分に 1 本程度で発車していますので、帰りの際は一度バス停に寄って発車時刻を確認すると良いでしょう。
映画 007 の舞台に!ボンドが訪れた日本の名城
実は姫路城は、1967年に公開された「007」シリーズの 5 作目『007は二度死ぬ』(原題: You Only Live Twice)のロケ地にもなっています。ショーン・コネリーがジェームズ・ボンドを演じ、日本を舞台にした作品としても有名です。
ボンドがヘリコプターで姫路城に降り立つシーン
この映画では、NASA の宇宙カプセルが謎の宇宙船に捕獲される事件が発生し、ボンドがその黒幕を追うために日本にやってきます。物語の中では、忍者や地下秘密基地、火山の要塞といった、日本らしい要素が多く取り入れられています。
姫路城は映画内で**“秘密忍者訓練学校”**として使われています。ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)は、日本の情報機関「タイガー田中(丹波哲郎)」と協力し、スペクターの陰謀を阻止するために行動します。その過程で、ボンドは忍者としての訓練を受けることになり、その訓練の舞台が姫路城でした。
姫路城三の丸広場に降り立つボンド(ショーン・コネリー)とそれを出迎える迎えるタイガー田中(丹波哲郎)
撮影が行われたのは、姫路城の西の丸を中心としたエリアで、城内の石垣や櫓(やぐら)が印象的に映し出されています。特に、忍者たちが訓練をするシーンでは、姫路城の威厳ある風景が大きくクローズアップされ、武士道の精神を象徴する場として描かれました。
姫路城に行く前に一度映画を見てみてください。実際に姫路城へ訪問したときの感動が大きくなるはずです!
1967年当時の姫路城と、現在の姫路城との対比も是非楽しんでください。70 年余経過しても変わらない姫路城の姿にきっと驚くと思います。
ちなみに余談ですが、この映画に出演している若かりし頃の丹波哲郎さんはショーン・コネリーに引けを取らないほどかっこいいです!英語も流暢で、日本を代表する名俳優だと、この作品を見終わって誇りに思いました。
400年の歴史が紡ぐ美しき世界遺産、姫路城
まるで大空に羽ばたこうとするかのように広げられた、優美な白鷺城の姿。その圧倒的な美しさは、写真や映像だけでは伝えきれません。現存十二天守の一つとして、築城当時からの姿を今に伝える姫路城には、400年の歴史が紡いできた物語があります。
姫路城の魅力は、見る角度や時間、季節によって様々な表情を見せてくれる点にあります。朝日に輝く白壁の美しさ、夕暮れ時のシルエットの荘厳さ、桜と調和する春の姿、青空に映える夏の勇姿。来るたびに新しい発見があり、何度訪れても飽きることがありません。
特に、天守閣内部を実際に歩いてみると、巨大な梁や柱、細部にまで施された意匠の数々から、当時の職人たちの技術力の高さと、美しさを追求する姿勢に圧倒されます。そして最上階からの眺望も、姫路の街並みを一望できる絶景スポットとして人気です。
姫路駅から徒歩でも、バスでも簡単にアクセスできる姫路城。滞在時間は2時間程度ありれば、城内の主要な見どころをゆっくりと巡ることができます。ぜひ一度、日本が世界に誇る最高峰の城郭建築、姫路城に足を運んでみてください。