- 日本一美しい城!世界遺産「姫路城」の見どころ完全解説!白鷺城の構造美、超貴重な天守閣など徹底紹介
- 世界遺産・姫路城は、白漆喰で輝く美しい天守閣から「白鷺城」とも呼ばれています。築城当時の姿を留める貴重な現存天守、桜の名所としての魅力、アクセス方法まで徹底解説!
戦国の知恵と美しさが息づく姫路城大天守へ、いざ参らん
白亜の外観で知られる姫路城。その美しさは「白鷺城」の異名をとり、世界の人々を魅了し続けています。しかし、その荘厳な姿の内側には、戦国の知恵と工夫が隠されているのをご存知でしょうか。
総高 25m の巨大な心柱が支える五重七階の大天守。その内部には、武将たちの知恵が結集した防衛システムが張り巡らされ、まるで迷路のような造りとなっています。急勾配の階段、敵の侵入を防ぐ隠し部屋「武者隠し」、鉄砲で迎え撃つための「武者走り」など、その仕掛けの数々は見る者を圧倒します。
世界文化遺産に登録され、2015年には大規模修理を終えた姫路城大天守。地下から最上階まで、各階に残された戦国の面影をたどりながら、その知られざる魅力に迫っていきましょう。
姫路城
姫路城は、400年以上の歴史を持つ日本を代表する白亜の名城です。優美な外観から別名「白鷺城」とも呼ばれ、1993年には日本で最初の世界文化遺産に登録されました。天守閣は地上約46メートルの高さを誇り、83の建物が巧みに配置された城郭建築の傑作として知られています。大天守を中心に東、西、北の小天守が連なる姿は、まさに白鷺が羽を広げたかのような優美さです。2009年から2015年にかけて大規模な保存修理工事が行われ、より美しい姿を取り戻しました。現在は兵庫県姫路市のシンボルとして年間100万人以上の観光客が訪れ、特に桜の季節には城と桜の風景が絶景として人気を集めています。
- 営業時間
- 9:00 〜 17:00
- 定休日
- 12月29日・30日
- 電話番号
- 079-285-1146
- 公式サイト
- https://www.city.himeji.lg.jp/castle/
- 駐車場
- 付近に有料駐車場有り
- アクセス
- 姫路駅よりバスで 5 分
- 姫路駅より徒歩 15 〜 20 分
- 所在地
- 〒670-0012 兵庫県姫路市本町 68
大天守
姫路城の大天守は、現存する日本の城の中でも最も美しいとされる五重七階建ての壮麗な天守閣です。白漆喰で覆われた優雅な外観が特徴で、防御と美しさを兼ね備えた構造が魅力です。日本の城郭建築の最高傑作の一つとして高く評価されています。
地上から見上げると純白の壁が天を突くように聳え立ち、1 層から 5 層へと優美に反り返った屋根が重なっていきます。外観は白漆喰総塗籠造りで、各階の軒が反り上がる千鳥破風の形状が特徴的です。
内部は戦国時代の攻防を想定した巧みな設計がなされており、迷路のような複雑な動線や、敵の侵入を防ぐための工夫が随所に施されており、その華やかな外観からは想像もつかないほどです。また、現存十二天守の一つとして、400年の歴史を刻み続けたその重厚感も特徴です。
これからその大天守の内部へ入っていきましょう。
地階(地下 1 階)
姫路城大天守の地階(地下 1 階)には、籠城時に備えた流し台や厠(かわや)などの設備があり、また、巨大な西大柱と東大柱の下部も見られ、その太さを体感できます。
写真右に見えている西大柱はお城を支えている大黒柱の一つで、高さは 25m あります。この柱と東大柱の二本が最上階まで伸び、重量 6,000t もの大天守を支えています。
一階
姫路城大天守の1階は、広々とした内陣を中心に、武者走りと呼ばれる回廊が取り囲む構造です。内陣の壁上部には、火縄や鉄砲の弾を収納するための竹製の用具掛けが設置されています。また、格子窓の内側には鉄板が組み込まれ、防火と防備の役割を果たしています。さらに、1階と二の渡櫓を結ぶ重厚な扉は、外面が鉄板で覆われ、内側からカンヌキで施錠できる堅牢な造りとなっています。
武者走りは一見するとただの廊下ですが、天守の壁沿いに配置されていることが特徴で、右側にある格子窓から鉄砲を撃ち迎撃できるように設計されています。
火縄や鉄砲の弾を入れた袋などをぶら下げておく「用具掛け」があります。
二階
姫路城大天守の2階は、1階と同様に内陣と武者走りで構成されています。内陣の壁上部には竹製の用具掛けがあり、火縄などを収納していました。また、階段上部には開き戸タイプの蓋が設置され、戦時には階段を封鎖する役割を果たしていました。さらに、千鳥破風内部には開き窓があり、屋根伝いに西小天守へ脱出できる通路として機能していました。
こちらは、鉄砲や槍、弓などを置いておく「武具掛け」です。
こちらは天守ではなくて「ハの渡櫓」になりますが、こちらにも武具掛けありました。このように、至る所で戦闘時に機能するような仕組みが設置されています。
三階
姫路城大天守の3階は、他の階に比べ天井が高く、内陣を取り囲む格子が特徴的な空間です。中央には地階から5階まで通る西大柱と東大柱の2本の心柱があり、耐震性を高めています。四隅には「武者隠し」と呼ばれる隠し部屋が設けられ、敵の侵入時に奇襲攻撃を行うための工夫が見られます。また、北側と南側に設置された「石打棚」は、内陣を見下ろす位置にあり、敵の動きを監視し攻撃するためのスペースとして機能していました。
四階
姫路城大天守の4階は、窓の位置が高く外の景色が見えないため、東西南北の四方に「石打棚」と呼ばれる高台が設けられています。この階と5階は内陣と武者走りの区別がなく、一つの広間として広がっています。また、4階北西の千鳥破風内には、屋根へ出られる開き窓があり、緊急時の脱出口として機能していました。
五階
姫路城大天守の5階は、外観上は4層目の屋根裏に位置し、窓が少ないため薄暗い空間です。この階は「大広間」とも呼ばれ、約70畳の広さを持ち、籠城戦時の指揮所として想定されていました。また、各コーナー部にはL字型の「入室(いりむろ)」があり、控えの間や武者隠しとして利用されたと考えられます。
心柱である「東大柱」と「西大柱」の上端部もこの階で確認できます。
最上階への階段は特に急勾配で、登る際には注意が必要です。急な階段は昔の城の特徴ですね。敵が攻めづらくしています。
六階(最上階)
姫路城大天守の最上階(6階)は、他の階とは異なり、天井が設けられた書院風の造りが特徴的です。内陣の床面が少し高くなっており、格式の高さを感じさせます。
四隅にはかつて窓が設けられる予定でしたが、耐震性や防御の観点から塞がれた痕跡が残っています。さらに、豪華な銅製の釘隠しが使用されており、最上階の特別な意匠を際立たせています。
また、最上階には姫路城の守護神である刑部神社(長壁神社)が祀られています。姫路城の守護神です。
最上階からの眺望
姫路城大天守の最上階からは、姫路市街を一望できます。
下の写真の中央左に見えている赤壁の建物は姫路市立美術館です。美術館は元々は旧第十師団兵器庫でした。
姫路城大天守で出会う、戦国の叡智と平成の技術
地下から最上階まで見上げると、400年の歴史を経てなお、威風堂々と立ち続ける大天守の心柱に圧倒されます。この巨大な柱がまるで城の背骨のように支え続けてきた姿は、まさに日本のものづくりの真髄と言えます。
2015年の大規模修理で、大天守はさらに美しく生まれ変わりました。漆喰の白さは一段と輝きを増し、木組みの技術は現代の職人たちの手によって丁寧に受け継がれています。この修理では最新の耐震技術も組み込まれ、戦国時代の知恵と現代の技術が見事に調和しています。
見学のベストシーズンは、3月下旬から4月上旬の桜の季節。大天守と桜の共演は、まさに日本の美の結晶です。また、11月中旬から下旬にかけては紅葉も見事で、秋の陽光に輝く白壁との対比が美しい風景を作り出します。
天守閣からの眺望は時間帯によって表情を変えます。朝は清々しい光の中で姫路の街並みを一望でき、夕暮れ時には西に沈む夕日に大天守が染まる瞬間を見ることができます。最上階まで登る価値は十分にあります。
訪問の際は、階段が急な箇所が多いため、歩きやすい靴での来城がおすすめです。また、混雑を避けるなら開門直後の午前9時台、もしくは午後3時以降の来城がベストです。大天守内部は見どころが多いため、最低でも 30 分ほどの見学時間を確保することをお勧めします。
姫路城大天守は、戦国の武将たちが築き上げた防衛の知恵と、職人たちの精緻な技術が結実した日本の宝です。この白亜の天守に刻まれた歴史の重みと美しさを、ぜひ体感してみてください。