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- 歴史好き必見!由木城跡「城が寺に姿を変えた日」八王子の隠れた戦国遺産を巡る旅
- 八王子の戦国城郭・由木城跡を、永林寺の格式高い伽藍とともにご紹介。北条氏の家臣・大石氏が築いた知られざる山城の見どころと、アクセス方法を詳しく解説。三門や三重塔など圧巻の寺院建築も必見です。
東京都八王子市の山間部に、かつて威容を誇った山城がありました。その名は八王子城。戦国時代、北条氏の重臣・北条氏照が築いた要塞は、関東屈指の規模を誇り、その堅牢さから「難攻不落」と称えられていました。
高低差200メートルを超える山の斜面に築かれた城郭には、本丸、御主殿、曳橋など、数々の見どころが今も残されています。山城ならではのスリリングな地形と、悲劇的な最期を遂げた歴史が織りなす独特の雰囲気は、訪れる人の心を強く惹きつけます。
さらに八王子城は、ハイキングスポットとしても人気を集めています。春には山桜が咲き誇り、初夏には新緑が目に鮮やか。秋には紅葉が山々を彩り、四季折々の自然を楽しめる魅力的な場所です。
今回は、この八王子城の魅力を徹底的に解説していきます。アクセス方法から見どころ、おすすめの過ごし方まで、これを読めば八王子城のことがすべてわかる。そんな完全ガイドをお届けします。
無料の駐車場も完備され、ボランティアガイドによる案内も利用できる八王子城。都心から2時間もかからずに、本格的な山城跡でタイムスリップ体験ができる貴重なスポットへ、一緒に出かけてみましょう。
東京都八王子市にある、戦国時代に北条氏照が築いた関東屈指の山城です。豊臣秀吉の小田原征伐によって落城し、悲劇的な歴史を持つこの城跡は、現在では国指定史跡となり、日本100名城にも選出され、ハイキングや歴史探訪のスポットとして人気を集めています。
八王子城は、戦国時代に北条氏の家臣である北条氏照によって築かれました。関東の防衛拠点として堅牢な山城であり、「難攻不落」とも称されていました。
しかし 1590 年、豊臣秀吉が小田原城を攻める際、前田利家・上杉景勝らの軍勢が八王子城を包囲しました。わずか一日で城は陥落し、多くの武士や城兵、婦女子が命を落としました。
落城の際、多くの女性が敵の手に落ちるのを避けるため、御主殿の滝に身を投げたと言われています。この悲劇的な出来事から、現在でも心霊スポットとして語られることがあります。
かつて八王子城の中心地であった場所で、石垣や庭園の跡が残っています。
御主殿跡と登山道をつなぐ橋で、かつては城の防御のために使われていました。現在の曳橋は復元されたものですが、戦国時代の雰囲気を感じながら歩くことができます。
本丸跡には社と記念碑があります。山頂まで上る必要があるため難易度は高いですが、どこか神秘な光景が広がります。
そしてここまで登ると、関東平野を一望できる絶景が広がります。晴れた日には富士山が見えることもありますよ。
落城の際、多くの人々が命を落としたとされる場所。滝の周辺は静寂に包まれ、歴史の重みを感じることができます。
八王子城は山城であるため、城跡全体がハイキングコースになっています。初心者向けから上級者向けまでルートがあり、戦国時代の遺構を感じながら散策できます。
八王子城の入口から曳橋、御主殿跡の道中も、山中を歩くため、とても気持ちが良いですよ。
八王子城の入口には管理棟があります。
ここはボランティアガイドさんが常駐している場所です。実は八王子城では、無料ガイドを申し込めて案内してもらるんです。
ガイドは、御主殿跡をめぐるコースと、八王子城跡ガイダンス施設です。所要時間は 60 〜 90 分程度です。
八王子城のことや城主の北条氏照のことなど、わかりやすく案内してもらいながら八王子城跡内を散策できますので楽しいですよ。
なお、ガイドは事前に予約が必要です。訪問日の 10 日前くらいから電話で予約が可能です。
管理棟の隣には、カフェ「城跡茶屋」が営業しています。
店内はとってもシンプルですが、ここでは竹炭製品など工芸品を購入できるほか、ドリンクや軽食が購入できます。
この中でも是非食べてみてほしいのが「山菜おこわ」。昔ながらの蒸籠でふかす昔ながらのおこわがとっても懐かしい味わいでおいしいですよ。
管理棟のあるところが八王子城の入口にあたりますが、その目の前に見学者専用駐車場があるため、車でのアクセスもしやすいです。
駐車場は無料で、利用可能時間は 9:00 〜 17:00 です。この時間帯以外は施錠されます。
八王子城入口より少し手前に、八王子城跡ガイダンス施設があります。
ここは八王子城跡の歴史や発掘調査の成果を紹介する展示施設です。八王子城の歴史から、鎧や当時の出土品を見学することができ、八王子城の歴史をより深く学べます。また、八王子城のパンフレットなども入手できるため、訪問前にここで情報を得ると、より充実した城跡巡りが楽しめます。百名城スタンプもここで押せますよ。
八王子城に行くための最寄り駅は、JR 高尾駅です。
高尾駅北口を出ると目の前にバスロータリーがありますので、1 番乗り場から発車するバスに乗ると八王子城へ行けます(180円)。
降りるバス停は「八王子城跡」バス停です。八王子城跡ガイダンス施設にバスロータリーがあり、そこに停車します。帰りのバスも同じ場所から乗車できます。
ただし、八王子城行バスは土日祝日のみの運行となっています。平日はバスを利用できません。
そんなときは、タクシーを利用しましょう。同じく高尾駅北口を出るとすぐタクシー乗り場もあります。
JR 高尾駅から八王子城跡ガイダンス施設までは、タクシーで約 10 〜 15 分程度。料金も 1,500 円で行けました。
駅から徒歩で向かうのは遠すぎるためオススメできませんが、それでもタクシー料金はさほど高額にならないため、バスの時間が合わない、もしくは平日であれば、積極的にタクシーを利用するのがオススメです。
八王子城には、北条氏の威光を今に伝える遺構が随所に残されています。500年の時を超えて、私たちの目の前に姿を見せる石垣や空堀。かつて武将たちが歩いた山道を、現代に生きる私たちも同じように歩けることに、不思途な魅力を感じます。
ハイキングコースを進み、曳橋を渡り、御主殿跡へ。そして登山道を経て本丸跡に至る道のりは、まさに歴史の追体験といえるでしょう。特に、ボランティアガイドさんの案内を受けながら歩くことを強くおすすめします。ガイドさんの解説によって、目の前の光景がより鮮やかに、より立体的に浮かび上がってきます。
また、ハイキングコースとしても八王子城は絶好のスポット。春の山桜、初夏の新緑、秋の紅葉と、季節ごとに表情を変える自然の中を歩くことができます。本丸跡からの眺望は特に素晴らしく、関東平野を一望できる景色は、山城ならではの特権といえます。
初心者から上級者まで楽しめる複数のコース、無料駐車場の完備、そして城跡茶屋での一服。これだけの施設が整っている山城跡は、都内でも稀少な存在です。土日祝日限定とはいえ、高尾駅からバスも運行しており、アクセスも良好。気軽に訪れやすい環境が整っています。
かつて難攻不落と謳われ、わずか一日で落城した八王子城。その劇的な歴史を持ちつつも、四季折々の自然が楽しめる古道は気軽に歩けるハイキングコースとして整備され、御主殿跡のある広場にはテーブルやベンチも設置され、ピクニック気分でランチを楽しむこともできます。ガイダンス施設では歴史を知り、資料を入手できます。カフェ「城跡茶屋」では軽食も楽しめ、城跡めぐり後に飲むビールは格別です。
このように八王子城は、まさに現代における「攻略」しやすい城となっています。
(ただし本丸のある山頂に行く場合は、登山の準備が必要です。下調べを入念に行ってください)
ぜひ一度、この八王子城を訪れてみてください。戦国時代を偲びながらのハイキング、山頂からの絶景、そして山菜おこわに舌鼓を打つ贅沢な一日が、きっとあなたを待っています。