京都嵐山千年の恋の舞台『野宮神社』源氏物語ゆかりの悲恋物語が息づく縁結びパワースポット

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京都嵐山千年の恋の舞台『野宮神社』源氏物語ゆかりの悲恋物語が息づく縁結びパワースポット

千年の時を超えて、悲恋が恋愛成就のパワーに変わる場所

嵐山の竹林の入り口に佇む小さな神社。その名は「野宮神社」。

一見、こじんまりとした境内に何の変哲もないように見えるかもしれません。しかし、ここには平安時代から続く壮大な物語が眠っています。

源氏物語に描かれた光源氏と六条御息所の切ない別れの場面。伊勢神宮に仕える斎王の潔斎所としての神聖な歴史。そして現代では、その悲恋が逆転し、強力な「縁結びパワースポット」として多くの恋する人々を惹きつけています。

苔むした庭園、日本最古の形式を持つ黒木鳥居、そして竹林に囲まれた独特の雰囲気。わずか10分程度の滞在時間で、平安時代の貴族の世界と現代のパワースポットを同時に体験できる場所、それが野宮神社です。

嵐山観光の定番コース「竹林の小径」の入り口に位置するこの神社には、いったいどんな魅力が詰まっているのでしょうか。千年の時を超えて語り継がれる恋の物語の秘密に、一緒に迫ってみましょう。

野宮神社

野宮神社(ののみやじんじゃ)は、京都の嵐山・嵯峨野エリアにある神社です。源氏物語に登場する野宮を再現するような趣を持ち、源氏物語の聖地の一つとなっています。

野宮神社

営業時間
9:00 ~ 17:00
定休日
年中無休
公式サイト
http://www.nonomiya.com/
駐車場
近隣にコインパーキング有り
アクセス
JR 嵯峨嵐山駅より徒約 10 分
嵐電嵐山駅から徒歩約 10 分
所在地
〒616-8375 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺立石町 1

源氏物語との関係、ポイントは「野宮」

源氏物語 出典元: ニューヨーク公共図書館

野宮神社と源氏物語の関係を知る上でかかせないのが、「野宮」という存在です。

野宮は、「伊勢神宮に仕える斎王(さいおう)が身を清める場所(施設)」です。

斎王とは、天皇の代わりに伊勢神宮の祭祀を行う未婚の皇族女性のことです。

斎王は、選ばれた後すぐに伊勢に向かうのではなく、一定期間、身を清める「潔斎(けっさい)」を行いました。その潔斎の場所の一つが、ここ嵯峨野にある**野宮(ののみや)**という施設でした。

野宮は伊勢斎王の潔斎所として使われた一時的な施設であり、斎王が伊勢に向かうと役目を終えて取り壊されるのが通例でした。

しかし、野宮が置かれた場所は神聖とされており、野宮とのしての役目を終えた後もその場所が信仰の対象となり、野宮神社として整えられたと考えられます。

後世になって斎王制度が廃止された後も、現在の野宮神社は、かつての野宮の伝統を受け継ぎながら、縁結びや学問の神様を祀る神社として親しまれています。

めちゃめちゃ悲しい恋物語、だからこその恋愛成就!

そんな野宮神社は、『源氏物語』第10帖「賢木(さかき)」に登場します。この巻では、光源氏のかつての恋人である**六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)**が、娘が伊勢の斎王となるために野宮で潔斎を行う場面が描かれています。

この野宮で、六条御息所は光源氏と最後の別れを交わします。かつては情熱的な恋人同士でしたが、光源氏の心はすでに別の女性に移っており、六条御息所は失意の中で斎王の母として新たな道を歩む決意をします。このシーンは『源氏物語』の中でも特に切なく、美しい場面の一つとされています。

こうして、源氏物語では切ない恋心が描かれたここ野宮ですが、野宮神社には、「縁結びの神様」として信仰される野宮大黒天が祀られており、恋愛成就のパワースポットとして人気があります。

あの失恋から歴史は 1000 年以上、これ以上ないパワースポットです。

境内の青もみじ

幻想的な竹林の中にある神社。アクセスしやすさも魅力

野宮神社は、嵐山の人気スポットである「竹林の小径」のスタート地点に位置していて、嵐山各駅から徒歩 10 分程度。竹林の小径と一緒に訪れることのできるアクセスのしやすさも魅力です。

神社と竹林の分岐点

コンパクトさも魅力、気軽に古都と源氏物語の世界へ

野宮神社の境内は非常にコンパクトです。所要時間は 5 〜 10 分程度あれば十分。このコンパクトな境内の中に、ぎゅっと見どころが詰まっています。

境内

境内

境内

境内

日本最古の鳥居「黒木鳥居」

野宮神社には、**黒木鳥居(くろきとりい)**と呼ばれる樹皮のついた鳥居があります。これは、日本最古の鳥居の形式の一つとされ、『源氏物語』にも登場します。

黒木鳥居

この黒木鳥居が野宮神社のエントランスなわけですが、とにかく雰囲気がすごい!古代を感じさせる佇まいが、その歴史の深さを感じずにはいられません。本当にここが、源氏物語の世界への入口なのではないかと錯覚してしまうくらいの存在感を放っています。

苔庭

野宮神社に造られている苔庭もとても美しいです。朱色の鳥居や、落ち葉とのコントラストが非常に趣を感じさせます。

苔庭

苔庭

竹林に浮かぶ紅一点、燃える紅葉とのコントラスト

野宮神社の境内には大きな紅葉の木があり、秋になると真紅に色づきます。周囲の緑とのコントラストがとても素敵で、まさに、竹林の世界における紅一点。秋に行くなら、ここは絶対に見ておきたい風景の一つです。

境内の紅葉

境内の紅葉

竹林に守られし悲恋の舞台、野宮神社

野宮神社は、伊勢斎王の潔斎所としての歴史を持ち、『源氏物語』の「賢木」に登場する重要な舞台です。光源氏と六条御息所の別れの場面が描かれ、平安時代の貴族文化や恋愛模様を今に伝える場所となっています。源氏物語ゆかりの地として、文学ファンや歴史好きにも訪れる価値のある神社です。

また、源氏物語や歴史好きでなくても、黒木鳥居、苔庭、そして紅葉と、フォトジェニックなポイントが多く、また、恋愛成就のパワースポットでもあることから、女子にも人気です。

縁結びのパワースポットとして知られる野宮大黒天は、六条御息所の悲恋を知っているからこそ、現代の私たちの恋愛成就を応援してくれているのかもしれませんね。

嵐山・嵯峨野を訪れた際は、竹林の小径と合わせて野宮神社へ足を運んでみてください。この悲恋物語を知ったなら、それを踏まえて平安時代から続く物語の舞台に立つことで、京都旅行をもう一段楽しいものにできますよ。野宮神社はコンパクトな境内ですが、古都京都の奥深さを実感できる、かけがえのない一角です。

竹林の小径のスタート地点に位置しているためアクセスも良好。訪問しやすいので是非足を運んでみてください。

黒木鳥居

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