- 新潟大民謡流し〜圧巻!1.5 km, 1万人の踊りの輪。新潟市夏の風物詩。
- 新潟市の大民謡流しは、毎年夏に開催される「新潟まつり」で行われる行事の一つとして、伝統的なイベントです。約 10,000 人の踊り手が揃いの浴衣を身にまとい、新潟甚句や佐渡おけさを踊りながら市内中心部を練り歩きます。
まるで美術館のような絶景庭園!豪商の美意識が息づく新潟の隠れた名建築
新潟市街地に佇む「旧齋藤家別邸」。その姿は一見、静かで控えめに見えるかもしれません。しかし、ひとたび建物の中へ足を踏み入れると、そこには想像を超える贅沢な空間が広がっています。
特に、2階大広間から眺める日本庭園の景色は圧巻。まるで額縁に収められた一枚の絵画のように、窓枠が切り取る庭園の風景は、息を呑むほどの美しさ。和洋折衷の建築美と、四季折々に表情を変える庭園が織りなす景色。これらが当時の匠たちによって計算され設計された美しさというのだから驚きます。
かつて、この地で財を成した豪商・齋藤家。彼らが追求した美意識は、100 年の時を経た今もなお、建物の随所に息づいています。贅沢な銘木の数々、凝らされた彫刻の数々、そして日本建築の粋を集めた造り。それらが絶妙なバランスで調和し、この美しい風景を形成しています。
この記事では、旧齋藤家別邸の見どころを、実際の見学ルートに沿って詳しくご紹介します。2階からの絶景はもちろん、建物に込められた様々な工夫や趣向、そして豪商の館ならではの贅沢な空間の数々を、存分にお楽しみください。
旧齋藤家別邸
旧齋藤家別邸は、新潟市中央区にある歴史的建造物で、新潟を代表する豪商である齋藤家によって大正時代に建てられた別邸です。和洋折衷の建築様式を採用しており、特に日本庭園は四季折々の景色を楽しめる名勝として知られています。
- 営業時間
- [4月 〜 9月] 9:30 ~ 18:00
- [10月 〜 3月] 9:30 ~ 17:00
- 定休日
- 月曜日(休日の場合は営業、翌日休業)
- 祝日の翌日(祝日が土日の場合は火曜日が休業)
- 12月28日 〜 1月3日
- 電話番号
- 025-210-8350
- 公式サイト
- https://saitouke.jp/
- 駐車場
- 新潟市美術館第 2 駐車場を利用可(無料, 旧齋藤家別邸まで徒歩 4 分)
- 新潟市西堀地下駐車場(60 分無料, 旧齋藤家別邸まで徒歩 10 分)
- 近隣にコインパーキング有り
- アクセス
- バス: 新潟市観光循環バス「北方文化博物館新潟分館前」下車徒歩 1 分
- バス: 路線バス C2 系統浜浦町線「西大畑」下車徒歩 6 分
- 車・タクシー: JR 新潟駅より 10 〜 15 分
- 徒歩: JR 新潟駅より徒歩 40 分
- 所在地
- 〒951-8104 新潟県新潟市中央区西大畑町 576
区分 | 料金 |
---|---|
大人 | 300円 |
小中学生 | 100円 |
新潟の豪商 斎藤家について
斎藤家は、新潟の三大財閥の一つとして知られる名家です。「三国屋(みくにや)」「山三(やまさん)」の屋号で親しまれ、代々当主は喜十郎を名乗りました。
元々は清酒問屋でしたが、明治時代に北前船による海運業で大きく発展。その利益を土地や証券投資に回し、新潟の近代化に貢献しました。地域の有力な商家との婚姻関係も広げ、地方財閥として大きな影響力を持つようになりました。
現在の別邸は、そんな斎藤家の繁栄を今に伝える貴重な建造物です。
圧巻!絵画のような美しの日本庭園
旧齋藤家別邸の最大のクライマックスは、2階大広間から見る、まるで絵画のような日本庭園です。
庭園の景色は、大広間の窓枠によってまるで絵画の額縁のように切り取られ、その美しさがさらに際立ちます。この構造は、日本建築特有の「借景(しゃっけい)」の技法を活かしており、自然の景色と建物が調和する空間を生み出しています。
四季折々に姿を変える庭園は、春の新緑、夏の濃い緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、訪れるたびに異なる表情を楽しむことができます。特に、木漏れ日が差し込む庭園は、時間の移ろいによる光と影の演出が繊細で、まさに一幅の名画のようです。
ぜひ、建物と庭園が織り成すこの美しい瞬間を、2階大広間から心ゆくまで堪能してみてください。ここに来るとその美しさから、時間が経つのを忘れますよ。
財閥が過ごした建物へ!贅沢な近代和風建築
旧齋藤家別邸は、数寄屋造りを基調とした贅沢な近代和風建築です。建物には当主のこだわりが随所に反映され、床や天井に使われた銘木や、凝ったデザインの欄間や建具が見どころです。
庭に面したガラス戸は全て開け放っことができ、庭との一体感が生まれます。また建物は北向きに設計され、直射日光は入らないため涼しい造りになっています。
また、この建物は「庭屋一如(ていおくいちにょ)」という考えのもとに建てられています。庭屋一如とは庭園と建物の境界が溶け合うように調和し、両者が一体である様を表します。建物自体も自然と一体となるように考えられていますが、先に紹介した、建物から見る日本庭園の美しい風景にも、この庭屋一如を考慮した上で設計されています。
旧齋藤家別邸のエントランスで入場チケットを購入したら、まず巡るのがこの別邸内になります。
1 階大広間
大広間は書院造となっています。書院造は、床の間、違い棚、付書発の3つから構成されます。
床の間は装飾品を飾る空間です。違い棚は手の込んだ装飾が施され、見どころの一つです。
付書院は昔、僧侶の机として備え付けられたもので、床の間に外光を取り込む造りです。また付書院の上には買の透かし彫りがあります。
座敷からは広がる庭園を一望でき、建物と庭園が一体となった美しい空間「庭屋一如」を楽しめます。
茶室
茶室は、正面に梅の木と丘へ続く石階段だけが見える設計になっており、他の景色が視界に入らないよう工夫されています。
大広間からの広々とした眺めとは対照的に、まるで山中にいるかのような静寂と趣を味わえる空間です。主屋の一部でありながら、侘びた草庵の風情を感じさせる、特別な雰囲気が魅力です。
西の間
西の間は、四代目当主・齋藤喜十郎がプライベートや来客の接待に使用していた部屋です。窓からは竹林が見え、大広間の松や茶室の梅と合わせて、縁起の良いモチーフが配置されています。
また、部屋の中央にある欄間には竹の彫刻が施されており、細部まで美しい意匠が楽しめます。
一方、井戸側の八畳間は建物で唯一南向きに設計され、明るい日差しが差し込む、開放感のある空間となっています。
仏間
**仏間(ぶつま)**とは、日本の伝統的な住宅や寺院で、仏壇を安置するために設けられた部屋や空間のことを指します。仏壇に祀られる仏像や位牌を中心に、家族や先祖を供養するための神聖な場所として用いられます。
部屋の奥には金襖があり、その向こうには仏壇が設置されていました。この金襖は上下にスライドする特殊な仕掛けになっています。また、仏壇の隣の床の間の上部には神棚も配されており、和の建築らしい祈りの空間となっています。
竹鶏図
竹鶏図は、竹と鶏を描いた縁起の良い図柄です。竹はタケノコの成長力から、「長生き」の象徴とされています。
一方、鶏は西洋では神聖な鳥とされ、時を告げて闇を追い払う存在として風見鶏に使われることがあります。また、中国では太陽を迎える霊鳥、日本では火事除けや子供の健康を祈願するための絵馬に描かれることもあります。
2 階大広間
2階大広間は、前述した最大のクライマックスである風景を臨める絶好の展望スポットです。
庭園は砂丘地の南斜面を活かして造られ、150年以上前に砂防林として植えられたクロマツが趣を添えています。また、100本以上のモミジがあり、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。
ぜひ、2階からのパノラマビューを満喫してみてください。
趣と自然の中へ!庭園を歩いてみよう
旧齋藤家別邸の庭園は、面積約 4,500m の敷地内に、格式のある玄関庭、趣のある中庭、そして自然の砂丘地形を上手に活かして築山(つきやま)と見立てた広大な主庭とに区分され、それぞれ園路で結ばれています。
中庭は砂丘地形を活かした回遊式庭園になっており、実際に歩いて巡ることができます。別邸内を一通り楽しんだら、外へ出て庭園を歩いてみましょう。季節、そして時間帯で全く違う表情を見せる庭園を、間近で楽しめます。
庭園側から見る建物も、趣があって素敵ですよ。
四季折々の絶景が魅せる、新潟が誇る大正浪漫の至宝|旧齋藤家別邸
庭園を一周し、別邸を後にする頃には、きっと存分に日本の和を楽しめていることと思います。2 階大広間から眺める日本庭園、贅を尽くした数寄屋造りの和室、そして四季折々に表情を変える回遊式庭園。どれをとっても、新潟の歴史と文化、そして日本の和を語る上で欠かせない価値があります。
明治時代、北前船で財を成し、新潟の近代化に貢献した齋藤家。その美意識と歴史を今に伝える旧齋藤家別邸は、地元新潟の人々にとって大切な文化遺産であると同時に、全国から訪れる人々の心を癒やす特別な場所となっています。
春には新緑、夏には深い緑の木々、秋には鮮やかな紅葉、そして冬には雪化粧。四季それぞれの表情を見せる日本庭園は、いつ訪れても新たな発見と感動を与えてくれます。特に2階大広間から見る景色は、まさに額縁の中の一枚の絵画。
新潟観光で迷ったら、ぜひ旧齋藤家別邸へ。豪商の館に息づく歴史と、美しい日本庭園の調和を、心ゆくまで堪能してください。