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日本の古代建築と神話が息づく神社、住吉さんへ参拝
白砂青松の境内に映える4つの朱色の本殿。鮮やかな朱色の反り橋を渡ると、そこはもう神々の世界。1800年以上の歴史を持つ住吉大社は、いつ訪れても心が洗われるような神聖な空間が広がっています。
大阪の古い地図を見ると、かつてこの辺りは海に面していました。古代より海の神様として崇拝を集めてきた住吉大社は、全国にある住吉神社の総本社。境内に一歩足を踏み入れると、朱色の反橋が空高くそびえ立ち、その先には厳かな空気が漂う広大な神域が広がっています。
古くから海の神様として、また商売繁盛の神様として篤い信仰を集めてきた住吉大社。さらに、一寸法師伝説の発祥の地としても知られ、日本の歴史と文化が凝縮された神社です。
この記事では、住吉大社の魅力や見どころ、参拝のポイントを徹底的に解説していきます。歴史ある本殿の謎から、参拝のマナーまで。住吉さんの世界に、一緒に浸ってみましょう。
住吉大社
住吉大社(すみよしたいしゃ)は、大阪市住吉区にある神社で、全国に約 2,300 社ある住吉神社の総本社です。住吉大社は 1,800 年以上の歴史を持ち、海上安全や航海の守護神として古くから信仰を集めてきました。初詣の名所としても知られ、毎年多くの参拝者が訪れます。特に年始や祭事の時期には賑わいを見せ、地元の人々や観光客に親しまれています。
期間 | 開門時間 | 閉門時間(外周門) | 閉門時間(御垣内) |
---|---|---|---|
4月 〜 9月 | 6:00 | 16:00 | 17:00 |
10月 〜 3月 | 6:30 | 16:00 | 17:00 |
- 10 月~ 3 月も、毎月一日と初辰日は 6:00 開門となります。
- 正月期間・住吉祭(夏祭り)期間は開閉門時間が異なります。
施設名 | 利用時間 |
---|---|
御守授与所 | 9:00~17:00 |
祈祷受付 | 9:00~16:00 |
五所御前(五大力) | 開門~16:00(五大力守袋のお求めは9:00~) |
楠珺社(初辰さん) | 9:00~16:00 |
種貸社 | 9:00~16:00 |
おもかる石 | 開門~16:00 |
- 定休日
- 年中無休
- 電話番号
- 06-6672-0753
- 公式サイト
- https://www.sumiyoshitaisha.net/
- 駐車場
- 有料駐車場有り(¥1,000/1h )
- アクセス
- 南海本線住吉大社駅 より徒歩 1 分
- 阪堺電軌阪堺線(路面電車)住吉鳥居前駅下車すぐ
- 所在地
- 〒558-0045 大阪府大阪市住吉区住吉 2-9-89
住吉大社の全体マップ
住吉大社には、約 3 万坪ある境内に本殿 4 棟、摂末社 27 社、その他多くの名所旧跡があります。
住吉大社敷地が広いため、境内は程よく外界から隔てられ、静寂が広がります。散策すると厳かな雰囲気を感じられます。境内は日本庭園のような風景が広がっており、歩いているだけでも心が落ち着きます。
また、本殿以外にもたくさんの神社があり、ご利益も多岐に渡ります。
- 大海神社(だいかいじんじゃ): 海の神様
- 船玉神社(ふなたまじんじゃ): 船や飛行機の安全を守る神様
- 志賀神社(しがじんじゃ): 海の神様
- 侍者社(おもとしゃ): 縁結びの神様
- 種貸社(たねかししゃ): 子宝・五穀豊穣・商売繁盛の神様
- 楠珺社(なんくんしゃ): 商売発達・家内安全の神様
- 大歳社(おおとししゃ): 収穫・集金の神様
- 浅澤社(あさざわしゃ): 美容・芸能の神様
- 市戎社・大国社(いちえびすしゃ・だいこくしゃ): 商売繁昌の神様
受け継がれる古代神殿!国宝「本殿」
住吉大社の最大の特徴は、本殿が 4 つあることです。これらはいずれも 1810 年に建てられ、国宝に指定されています。
建築様式 | 住吉大社について | 住吉大社4つの本殿は、それぞれ「第一本宮(いちのほんぐう)」「第二本宮(にのほんぐう)」「第三本宮(さんのほんぐう)」「第四本宮(しのほんぐう)」と呼ばれ、これらが一直線に並ぶ珍しい配置となっています。これらの本殿は、日本の神社建築でも特に古い様式である「住吉造(すみよしづくり)」を採用しています。この住吉造は、独自の様式美と厳かな雰囲気を醸し出しており、日本の建築史上重要な遺産とされています。
第一本宮
第一本宮(いちのほんぐう)には、**底筒男命(そこつつおのみこと)**が祀られています。この神は住吉三神の一柱で、海の神として崇敬されています。住吉大社が海上安全や航海の守護神として信仰されてきた背景には、この底筒男命のご神徳が大きく関わっています。
第二本宮
第二本宮(にのほんぐう)には、**中筒男命(なかつつおのみこと)**が祀られています。この神も住吉三神の一柱であり、底筒男命と同様に海の神として信仰されています。第二本宮は第一本宮の手前に位置し、同じ住吉造の美しい建築が特徴です。
第三本宮
第三本宮(さんのほんぐう)には、**表筒男命(うわつつおのみこと)**が祀られています。住吉三神の中でも表筒男命は最も重要な存在とされ、他の二神とともに海の神として崇敬されています。第三本宮も第一、第二本宮と同様に住吉造で建てられており、全体が統一されたデザインとなっています。
第四本宮
第四本宮(しのほんぐう)には、住吉三神ではなく、**神功皇后(じんぐうこうごう)**が祀られています。神功皇后は日本の歴史において伝説的な存在であり、神話では朝鮮半島への遠征を行ったとされています。第四本宮が祀る神功皇后も、海の神と深く関わりがあり、そのご神徳が海上安全を願う人々に広く信仰されています。
この4つの本殿は、それぞれが住吉大社の中心となる場所であり、並んでいる配置が特徴的で、訪れる人々に神々しい雰囲気を与えます。また、これらの本殿は国宝に指定されており、建築的にも非常に価値が高いです。
住吉大社は一寸法師発祥の地!種を司る神様「種貸社」
日本では、子供が一度は絵本で親しむ昔話「一寸法師」。小さな体で大きな夢を持つ少年が、知恵と勇気を駆使して成長し、幸福を手に入れる物語ですが、その一寸法師の発祥の地が、ここ住吉大社なんです。
一寸法師の物語
昔、子どもに恵まれなかった老夫婦が、神社(この住吉大社)に祈願し、子どもを授かります。しかし、生まれてきた男の子はとても小さく、**一寸(約3センチ)**ほどの身長しかありませんでした。老夫婦はその子を「一寸法師」と名付け、大切に育てますが、一寸法師は成長しても背丈は変わりませんでした。
成長した一寸法師は、侍になることを夢見て、京の都へと旅立つことを決意します。両親からの餞別として、針の剣、お椀の船、**箸の櫂(かい)**を持って、川を下り、都へ向かいます。
都に着いた一寸法師は、あるお城で仕事を見つけ、姫のお側に仕えることになります。姫と一寸法師はすぐに親しくなり、一寸法師はその勇敢さと知恵を姫に示す機会を得ます。
ある日、姫と一緒に出かけた際、彼らは恐ろしい鬼に襲われます。鬼は一寸法師を小さいからと軽んじますが、一寸法師は持っていた針の剣で鬼を刺し、勇敢に立ち向かいます。鬼は痛みに驚き、降参して逃げ去ります。
逃げた鬼が残していった打ち出の小槌を一寸法師は手に入れます。この小槌は、振ると願いが叶う不思議な道具です。一寸法師はこの小槌を使って、「大きくなりたい」と願います。
願いが叶い、一寸法師は普通の人間と同じ大きさになります。その後、一寸法師は姫と結婚し、幸せに暮らしたと伝えられています。
一寸法師の物語は、どんなに小さくても、知恵と勇気があれば困難に打ち勝てるという教訓を伝えています。また、夢を諦めず、自分の力で道を切り開く姿は、時代を超えて多くの人々に愛されています。
この物語は、日本の子どもたちに広く親しまれており、勇気や努力の大切さを学ぶための道徳的な教訓が込められています。
住吉大社の境内には種貸社(たねかししゃ)という神社があり、ここには一寸法師発祥の地を伝えると共に、祭神である倉稲魂命(うがのみたまのみこと)は、子宝・五穀豊穣・商売繁盛の神様として信仰されています。
昔から有名な一寸法師は、室町時代から江戸時代にかけて成ってきたとされる物語集の「御伽草子」に出てくるお話で、住吉大明神にお祈りして望んだ子供を授かったことから始まります。
種貸社には、物語に登場した「お椀の船」があります。実際に乗り込んで一寸法師の気分を味わってみてください。
厳かなで神秘的な雰囲気!商売発達・家内安全の神様「楠珺社」
住吉大社にある**楠珺社(なんくんしゃ)**は、住吉大社の末社(まっしゃ)の一つで、特に商売繁盛や仕事運向上のご利益で知られています。楠珺社は、住吉大社の境内にありながら、独自の信仰を集めており、地元の商人やビジネスマンに特に人気のある神社です。特に大阪は古くから商業都市として栄えてきたため、住吉大社を訪れる多くの参拝者が商売の繁盛を祈願し、楠珺社にも足を運びます。また、仕事運やキャリア向上を願う人々にも信仰されており、会社員やビジネスパーソンが多く訪れます。
でも是非、商売繁盛を祈願する必要がなくても、楠珺社には行ってみてください。中に入ると、厳かなで神秘的な雰囲気で包まれていて、すごく気持ちがやすらぎます。
また、楠珺社の特徴の一つとして、境内にある立派な**クスノキ(楠木)**があります。。この楠木は非常に大きく、樹齢も長いため、神木として崇められています。楠木自体が神聖な存在とされ、強い生命力や繁栄の象徴とされています。
ここから神の領域へ!神域と現世をつなぐ「反橋」
反橋(そりばし)は、住吉大社の正面入口からすぐのところにある橋です。緑豊かな住吉大社の境内に映える朱色の橋は大きく反り返っていることでも有名で、参拝者・観光客に人気のスポットになっています。
こういった反り返った形状は、特に歴史的な橋や神社仏閣の境内に見られます。橋自体が視覚的に美しいだけでなく、神聖な場所への入り口としての役割を果たします。たとえば、住吉大社の反橋は神域と現世をつなぐ象徴とされています。神聖な場所へ足を踏み入れるためには、精神的にも一歩踏み越えるような意味が込められているとされています。
このように反り返っている橋は、通常、**太鼓橋(たいこばし)**とも呼ばれます。これは、橋の形が太鼓のように丸みを帯びていることから名付けられています。
反橋からの眺望がとても良いので、階段にだけ気を取られず、是非頂上で立ち止まって眺めてみてくださいね。
住吉大社での参拝マナー・注意点
住吉大社は 1,800 年以上の歴史を持つ由緒ある神社です。参拝の際は以下のマナーを守り、厳かな気持ちで参拝しましょう。
基本的な参拝作法
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鳥居をくぐる前に会釈
- 神域に入る際の挨拶として、鳥居の前で軽く一礼します
- 鳥居の真ん中は神様の通り道なので、端を歩きましょう
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手水舎での清め方
- 右手で柄杓を持ち、左手を清める
- 左手で柄杓を持ち、右手を清める
- 左手に水を受け、口をすすぐ(飲まない)
- 最後に柄杓を立てて残りの水で柄を清める
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本殿での参拝順序
- 第一本宮から第四本宮まで、順番に参拝します
- 各本殿の前では、二礼二拍手一礼が基本です
- 深く二回お辞儀
- 両手を胸の高さで二回拍手
- 最後に深く一回お辞儀
境内での注意点
- 反橋は急な勾配があるため、雨天時は特に足元に注意
- 本殿の写真撮影は、他の参拝者の妨げにならないよう配慮を
- 神聖な場所のため、大声での会話は控えて
- ゴミは必ず持ち帰る
- 飲食は指定された場所以外では控える
- ペット連れの場合は必ずリードを付ける
混雑時期の注意点
- 初詣期間(12月31日~1月3日)は特に混雑
- 公共交通機関の利用を推奨
- 参拝待ち時間の長時間化に備える
- 防寒対策をしっかりと
- 住吉祭(7月30日~8月1日)期間
- 交通規制があるため事前確認を
- 浴衣での参拝が多いため、足元に注意
- 熱中症対策を忘れずに
1800年の歴史、日本最古の神社建築。住吉大社という癒しのパワースポット
静かに佇む4つの国宝本殿、厳かな空気が漂う境内、朱色の反橋が映える日本庭園。住吉大社には、訪れる人の心を癒し、勇気づける不思議な力があります。神域の入り口である反橋を一歩一歩上がるたび、現代の喧騒は遠ざかり、悠久の時の流れに身を委ねることができます。
春には満開の桜が反橋に寄り添い、夏には住吉祭の賑わいで境内が活気に満ち、秋には紅葉が神域を彩り、冬には初詣の参拝者で境内が温かな空気に包まれます。このように四季折々の表情を見せる住吉大社は、一度の参拝では語り尽くせない魅力に満ちています。
特に、朝の開門直後に訪れるのもおすすめです。誰もいない境内で、清々しい空気と共に四つの本殿を参拝する体験は格別です。また夕暮れ時の参拝も、沈みゆく太陽に照らされた本殿の姿が神々しく、心が洗われる思いがします。
今日では商売繁盛や家内安全を願う参拝者はもちろん、一寸法師伝説や神社建築に惹かれて訪れる観光客も多く、古くからの信仰と新しい魅力を持ち合わせる神社として進化を続けています。
住吉大社の参拝は、神域での祈りを通じて自分自身と向き合う貴重な機会となります。1800年以上もの時を超えて受け継がれてきた住吉造の本殿と、大阪の街を見守り続けてきた住吉大社の神々が、きっとあなたの参拝を温かくお迎えしてくれることでしょう。
心のリセットが必要なとき、新しい決意を固めたいとき、また単に日常から少し離れたいとき。住吉大社は、そんな皆様の心の拠り所として、いつでも静かに、そして力強く存在し続けています。
ぜひ一度、住吉大社での特別な時間を体験してみてください。