名古屋城本丸御殿完全ガイド:豪華絢爛な金箔世界へ!見どころ・歴史・見学方法を徹底解説

名古屋城本丸御殿完全ガイド:豪華絢爛な金箔世界へ!見どころ・歴史・見学方法を徹底解説

名古屋城本丸御殿:江戸時代の華麗なる芸術と権力の世界へ

名古屋城本丸御殿は、江戸時代の豪華絢爛な建築美と芸術の粋を今に伝える、まさに「タイムマシン」のような存在です。2018年に完全復元されたこの建造物は、かつて国宝第一号に指定されるほどの文化的価値を持ち、尾張徳川家の威光と日本の伝統文化を今に伝えています。

金箔をふんだんに使用した豪華な内装、精緻な障壁画、そして歴史的な重要性—これらすべてが、訪れる人々を圧倒し、江戸時代へと誘います。

この記事では、名古屋城本丸御殿の魅力を隅々まで紹介します。豪華な玄関から格式高い表書院、そして最も華やかな上洛殿まで、各部屋の見どころと歴史的背景を詳しく解説します。さらに、実際の見学方法やちょっとしたコツもお伝えしますので、あなたの本丸御殿体験がより深く、より楽しいものになるでしょう。

では、江戸時代の芸術と権力の世界へ、一緒に旅立ちましょう。

名古屋城 本丸御殿

本丸御殿

名古屋城の本丸御殿は、2018 年に完全復元された、豪華絢爛な建造物です。名古屋城観光のクライマックスであり、金箔をふんだんに使用した豪華な内装や、精緻な障壁画が特徴的で、訪れる人々を圧倒します。

本丸御殿は、徳川家康の孫・徳川義直によって建てられ、尾張徳川家の居城として栄えました。歴史好きの方はもちろん、日本の伝統建築や文化に興味がある方にもおすすめの観光スポットです。

営業時間
9:00 〜 16:00
料金
無料
公式サイト
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/guide/honmarugoten/
所在地
〒460-0031 愛知県名古屋市中区本丸 1-1

本丸御殿の役割と歴史

本丸御殿

名古屋城の本丸御殿は、主に以下の3つの役割を果たすために建造された施設です。

1. 大名の居住空間
本丸御殿は、尾張徳川家の当主とその家族が生活する私的な空間でした。ここで日常生活を送り、家族との時間を過ごしました。
2. 政務の場
藩主が藩の重要な政策を決定し、家臣たちと会議を行う公的な場所としても機能していました。藩政の中心として、多くの重要な決定がここで下されました。
3. 儀式や接客の場
将軍や他藩の大名、重要な来訪者を迎え、もてなすための格式高い空間としても使用されました。豪華な装飾は、尾張徳川家の威光と権威を示す役割も果たしていました。

本丸御殿は住居ではなく、政治、外交、そして権威の象徴として多目的に利用された、江戸時代の大名にとって極めて重要な建造物でした。

そんな本丸御殿は、かつて天守とともに国宝第一号に指定された文化的に重要な意味を持つ建物でした。しかし、1945年太平洋戦争の空襲で焼失。昔の設計図や写真を参考に再建し、2018年、ついに昔の姿そのままの美しい本丸御殿が完成しました。今では、江戸時代の素晴らしい建築を間近で見ることができます。

豪華絢爛!黄金の障壁画

名古屋城本丸御殿の各襖には、「障壁画」と呼ばれる美しい絵が描かれています。

障壁画

障壁画とは、襖や壁に直接描かれた大きな絵のことです。本丸御殿の障壁画は、金箔を使った豪華な背景に、繊細な筆使いで描かれた花や鳥、風景などが特徴です。今にも動き出しそうな迫力です。

障壁画

障壁画

これらの絵は、部屋を飾るだけでなく、大名の権威を示す役割も果たしていました。障壁画を見ると、まるで江戸時代の美術館にいるような気分が味わえます。

本丸御殿を訪れたら、ぜひ各部屋の障壁画の違いにも注目してみてください。きっと、江戸時代の絵師たちの驚くべき技術に感動すると思います。

玄関

入側

本丸御殿の玄関は、訪問者を最初に迎える場所です。

玄関の装飾は、訪れる人々に尾張徳川家の威厳と文化的素養を示すよう細心の注意が払われていました。金箔を贅沢に使用した襖絵や精巧な欄間彫刻など、その豪華さは見る者を圧倒します。

玄関は「一之間」と「二之間」に分かれており、来訪者の身分によって通される部屋が異なりました。身分の高い客人や重要な用件で訪れる者は「一之間」に通され、一般的な客人や日常の用件で訪れる者は「二之間」に通されました。

一之間

一之間

一之間

一之間の天井は網代天井という特殊な技法で作られており、細い竹を編んで作られています。この天井は美しいだけでなく、音の反響を抑える効果もありました。

二之間

二之間

二之間

壁や襖には、勇ましい虎の絵が描かれています。これは、訪れた人々を驚かせ、尾張徳川家の力強さを印象づける狙いがあったとされています。虎は勇気と力の象徴とされ、その姿は見る者に畏敬の念を抱かせます。

これらの竹林と勇猛な虎や豹が描かれる障壁画は「竹林豹虎図」と呼ばれるものです。

また、二之間には、重要文化財「松楓禽鳥図(まつかえできんちょうず)」の復元障壁画があります。

松楓禽鳥図

松楓禽鳥図

復元された玄関を訪れると、江戸時代の大名家を訪問した際の緊張感や華やかさを今に体感することができます。ぜひ、虎の目を見つめたり、天井の細工に注目したりしながら、当時の雰囲気に浸ってみてください。

表書院

表書院(おもてしょいん)は、名古屋城本丸御殿の中でも特に重要な場所です。江戸時代には「広間」と呼ばれ、尾張藩主が公式な会見を行う場所です。

表書院

表書院

この表書院の中で最も格式が高いのが、一番奥にある「上段の間」です。ここには、床の間や書院造りの装飾が施され、さらに床が一段高くなっています。この高くなった場所が、藩主が座る特別な空間でした。

一之間と上段の間で、上段の間が一段上がっているのがわかります。

表書院

ちなみに上段の間は、尾張国名古屋藩の初代藩主である徳川義直が着座した部屋で、床と違棚、付書院・帳台帳といった正式の座敷飾りを備えており、帳台構も豪華です。

豪華な帳台構

上段の間は、1615年の城の完成時から、藩主に正式に謁見する最も重要な場所として使われてきました。初代藩主の徳川義直の時代から、歴代の藩主たちがここで重要な来客をもてなし、政務を執ってきました。

鷺之廊下

鷺之廊下は、本丸御殿の中でも特別な通路です。この廊下は 1634 年に、上洛殿という重要な部屋と一緒に作られました。

鷺之廊下

鷺之廊下の特徴は、壁一面に描かれた豪華な絵画です。普通の廊下と違い、天井近くまで絵が描かれているのが目を引きます。これは、その時代の芸術スタイルを表しています。

鷺之廊下

将軍や藩主といった最高位の人々が、ここを通って上洛殿へ向かっていたことから、豪華な装飾になっています。

上洛殿

上洛殿(じょうらくでん)は、名古屋城本丸御殿の中で最も豪華で格式高い建物です。1634年に、当時の将軍・徳川家光が京都へ向かう途中で名古屋に立ち寄るために特別に建てられました。

上洛殿

江戸時代には「御成書院」や「御白書院」とも呼ばれ、最高級のお客様をもてなすための特別な場所でした。

上洛殿

上洛殿の見どころは、その驚くほど豪華な装飾です。天井には美しい絵が描かれ、部屋と部屋の境には色鮮やかな彫刻が施された欄間があります。

上洛殿

特に注目したいのは、当時33歳だった有名な絵師・狩野探幽が描いた壁画です。「帝鑑図」という中国の昔の話を描いた絵や、「雪中梅竹鳥図」という雪の中の梅と竹、鳥を描いた絵は特に素晴らしいと言われています。

上洛殿

上洛殿を訪れると、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような気分を味わえます。壁や天井の絵をじっくり見ながら、昔の人々の技術と美意識に触れてみてください。

上洛殿

梅之間

梅之間(うめのま)は、将軍をおもてなしする重要な仕事を任された尾張藩の上級武士たちが待機する場所でした。つまり、「控えの間」として使われていました。

梅之間

梅の間は、派手さこそありませんが、シンプルな造りが逆に障壁画を引き立てていて、とても雰囲気の良い部屋です。

梅之間

この部屋は、華やかな表舞台の裏で重要な役割を果たしていた場所。江戸時代の武士たちが緊張しながらここで待機していた様子が想像できます。

部屋の装飾や配置にも注目してみてください。それらは、当時の身分制度や儀式の厳格さを物語っています。

対面所

対面所は、尾張藩主が家族や側近の家臣たちと、くつろいだ雰囲気で会ったり、宴を開いたりした場所でした。

対面所

対面所は主に「上段之間」と「次之間」という二つの部屋からなります。これらの部屋の壁や襖には、とても美しい絵が描かれています。絵の内容は、四季折々の風景や日本の有名な場所、そしてそこで暮らす人々の様子です。

対面所

対面所を訪れたら、ぜひ壁や襖の絵をじっくりと観察してみてください。静かで落ち着いた雰囲気があり、江戸時代の人々の暮らしや、当時の人々が憧れた風景を想像できると思います。

本丸御殿を見学する方法

本丸御殿の見学には、天守閣前の広場で受付を行います。料金は無料です。手続きなどはありませんが、一度スタッフさんから注意事項などを案内いただいてからの入場となります。

1. 受付

まずは列に並んで、順番を待ちましょう。

見学受付

見学受付

一度に通される人数は 10 人程度。スタッフさんからの案内は 5 分程度です。ビデオを見て注意事項を確認します。

見学受付

スタッフさんから「手荷物が多い人は中に無料ロッカーもあります。」と案内されますので、荷物が多い人は預けてから見学しましょう。

ゆっくり回るとそれなりに時間を要するのと、御殿内の通路は広いわけではないので他の方の通行の妨げになったり、すれ違いが大変です。

2. 入場

説明を受けたら本丸御殿に入場できます。

エントランスです。ここで靴を脱ぎます。右側通行です。 エントランス

靴を脱いで上がったら、スリッパが置いてあります。必ず履かなくてはいけない規則はありませんが、経験上、スリッパは履いていた方が良いです。廊下は木の床なので、冬場はわりと冷えます。

もちろん床も柔らかいわけではないので、長時間歩いていると疲れる人は疲れると思います。

3. 下駄箱とロッカー

マップ:下駄箱やロッカーの位置

入るとすぐに下駄箱があるので、ここに靴を収納します。

下駄箱は無料です。鍵がかけられます。

下駄箱

下駄箱の脇にはロッカーもあるので、荷物も預けることができます。

ロッカーは先に 100 円を入れ必要がありますが、解錠した時に 100 円は戻ってくるので無料です。

ロッカー

ここから先に進むと、玄関エリアに入ります。素敵な本丸御殿を堪能してきてください。

名古屋城本丸御殿:時を超える美と歴史の感動体験

名古屋城本丸御殿を訪れる体験は、まさに時空を超える旅。金箔輝く豪華な内装、精緻な障壁画、そして歴史の重みを感じる空間。すべてが織りなす芸術と歴史の世界に、心を奪われずにはいられません。

玄関から始まり、表書院、鷺之廊下、上洛殿と進むにつれ、江戸時代の権力者たちの足跡を辿る感覚が強まります。各部屋の装飾や構造に込められた意味を知ると、当時の人々の美意識や価値観が鮮明に浮かび上がってきます。

障壁画に描かれた四季折々の風景や動物たちは、400年の時を経ても色褪せることなく、今も私たちの心に語りかけてきます。そこには、日本人が古くから大切にしてきた自然との調和や、繊細な美意識が息づいています。

本丸御殿の見学を終えた後、現代の喧騒に戻る瞬間、不思議な感覚に包まれるかもしれません。タイムスリップから戻ってきたような、そんな感覚です。しかし、心の中には確かに、江戸時代の美と歴史の余韻が残っているはずです。

名古屋城本丸御殿は、日本の文化と歴史を肌で感じ、先人たちの想いに触れることのできる特別な場所。江戸時代の大名の暮らしぶりを身近に感じることができます。

また、バリアフリー設備も整っているので、車椅子の方や小さなお子様連れの方も安心して見学できます。

名古屋城を訪れた際は、ぜひ本丸御殿にも足を運んでみてください。日本の歴史と文化の粋を体感できる、特別な体験が待っています。

本丸御殿

本丸御殿バーチャルツアー

あわせて読みたい: