笹一酒造：360年の伝統と革新が織りなす山梨の銘酒 - 富士の恵みを味わう旅

公開日： 2024/7/13

笹一酒造

大月市が誇る360年以上の歴史を持つ酒蔵

山梨県大月市。東京から約90分、富士山の麓に位置するこの静かな町に、日本酒愛好家たちの間で注目を集める酒蔵があります。その名も「笹一酒造」。1661年（寛文元年）の創業以来、360年以上にわたって伝統の技を守り続けながらも、時代のニーズに合わせた革新的な酒造りに挑戦し続けている、まさに「知る人ぞ知る」銘酒の蔵元です。

笹一酒造

今回は、この笹一酒造の魅力に迫ります。歴史ある酒蔵の雰囲気、こだわりの製法、そして何より、その味わい深い日本酒の数々。山梨の地酒と観光を愛する者として、ぜひ知っていただきたい笹一酒造の魅力をお伝えします。

笹一酒造の歴史：江戸時代から令和へ、受け継がれる匠の技

笹一酒造

笹一酒造の歴史は、1661年（寛文元年）にまで遡ります。以来、360年以上にわたって酒造りの伝統を守り続け、地域に根ざした酒造りを行ってきました。

江戸、明治、大正、昭和、平成、そして令和と、時代は移り変わりましたが、笹一酒造の酒造りへの情熱は変わることなく、そして、ただ伝統を守るだけではなく、各時代のニーズや技術革新に合わせて、常に新しい挑戦を続けてきました。

例えば、近年では若い世代や女性にも親しまれる日本酒を目指し、フルーティーでまろやかな味わいの酒の開発にも力を入れています。また、日本酒だけではなく、ワインの製造も行っています。

笹一酒造のこだわり：山梨の自然が育む至高の日本酒

笹一酒造の日本酒が織りなす至高の味わいの秘密は、その仕込み水にあります。この酒造りの生命線とも言える水は、他でもない日本屈指の銘水、霊峰富士の「御前水」です。

御前水

「御前水」という名は、その清らかさと品質の高さから、かつて皇室の方々の前に供される水、つまり「御前（ごぜん）に置く水」として珍重されたことに由来します。この貴重な水が、霊峰富士に源を発するという事実が、その神秘性と価値をさらに高めています。

富士山の雪解け水は、長い年月をかけて地中をゆっくりと通過します。その過程で、豊富なミネラルを含み、笹一酒造の井戸から汲み上げられます。このまろやかで柔らかな特性を持つ水が、笹一酒造の日本酒に独特の味わいを与えています。

笹一酒造の熟練した杜氏たちは、この霊峰富士の恵みである「御前水」の個性を最大限に引き出すべく、丁寧な酒造りを行っています。その結果生まれる日本酒は、富士の清らかさと大地の恵みを瓶に閉じ込めたかのよう。一口飲めば、澄んだ水の清々しさと、長い年月をかけて培われた深い味わいが、飲む人の舌の上で見事なハーモニーを奏でます。

日本酒

地域に根ざし、富士山の恵みと共に歩んできた笹一酒造だからこそ生み出せる、この唯一無二の味わい。それは、まさに日本酒の芸術品と呼ぶにふさわしいものです。笹一酒造の日本酒は、霊峰富士の神秘と日本の酒造りの伝統が融合した、至高の一杯です。

笹一酒造が誇る三銘酒：富士の恵みが織りなす至高の味わい

笹一酒造は、霊峰富士の御前水と山梨県産の厳選された米を用いて、三つの個性豊かな銘酒を生み出しています。それぞれの特徴を活かした、芳醇な香りと深い味わいをご紹介します。

笹一純米：爽やかな酸味と円やかな旨味の調和

笹一純米

「笹一純米」は、全量山梨県産米を使用し、霊峰富士の御前水で仕込まれた逸品です。おだやかな香りと共に、爽やかな酸味と円やかな旨味が絶妙なバランスで調和しています。すっきりとしたキレの良さは、様々な料理と相性抜群の食中酒として、多くの愛好家に支持されています。

精米歩合65%という丁寧な磨きと、15度以上16度未満のアルコール分が、この純米酒の特徴を見事に引き出しています。日本酒通はもちろん、初心者の方にも親しみやすい、笹一酒造の看板銘柄です。

笹一純米吟醸甲州夢山水：優しく広がる円やかな旨味

笹一純米吟醸甲州夢山水

一段階上の純米吟醸酒、「笹一純米吟醸甲州夢山水」は、全量山梨県産の「甲州夢山水」という特別な酒米で醸されています。霊峰富士の御前水との組み合わせが、この酒の個性を一層引き立てています。

口に含むと、清らかな含み香が広がり、角のない円やかな旨味が優しく口中に満ちていきます。「甲州夢山水」特有のすっきりとしたフルーティーさと、しっかりとした米の風味や旨味が見事に調和しています。精米歩合60%、アルコール分16度以上17度未満という絶妙なバランスが、この純米吟醸酒の奥深い味わいを生み出しています。