甲斐の猿橋
猿橋は、山梨県大月市猿橋町猿橋にある桂川に架かる刎橋です。刎橋とは、両岸から斜めに張り出したはね木によって橋を支える構造の橋を意味します。
猿橋は、歌川広重の「甲陽猿橋之図」や十返舎一九の「諸国道中金之草鞋」などにその姿が描かれており、江戸時代から多くの人々に親しまれてきました。また、1932 年(昭和 7 年)には国の名勝に指定されています。
- 営業時間
- 24 時間
- 定休日
- 無し
- 入場料
- 無料
- 駐車場
- 猿橋の脇に駐車場あり。自動車を数台程度駐車可能
- 最寄り駅
- JR 中央線 猿橋駅より徒歩 5 分
- 所在地
- 〒409-0614 山梨県大月市猿橋町
橋脚無し。まさに奇橋
猿橋は、長さ 31m, 幅 3.3m, 高さ 31m の木造の橋です。橋脚を全く使わず、両岸から張り出した四層のはね木によって支えられています。この珍しい構造は、谷が深く橋脚が立てられないため、猿が弓のように連なって橋をつくり渡っていた様子をヒントにしたともいわれています。
この珍しい構造から、猿橋は日本三大奇橋に数えられています。
桂川の深く美しい渓谷
猿橋は、桂川の深く美しい渓谷に架かる橋です。猿橋から見下ろす渓谷は、深く美しく、まるで絵画のような景色です。また、橋の上から桂川の清流を眺めるのもおすすめです。
猿橋のすぐ隣に見える橋は「新猿橋」といいます。こちらは車輌通行用の橋で、現在では主にこちらの橋が生活に使用されています。
八ツ沢発電所施設 第一号水路橋
猿橋の隣には、国の重要文化財となっている八ツ沢発電所施設 第一号水路橋(やつさわはつでんしょしせつ だいいちごうすいろきょう)があります。
明治45年(1912年)に建設された、日本最大規模の鉄筋コンクリート造単アーチ橋です。
八ツ沢発電所施設は、山梨県大月市と上野原市にまたがる、桂川沿いの水力発電所施設です。大正3年(1914年)に完成し、日本最初期の本格的な水力発電所施設として知られています。
第一号水路橋は、八ツ沢発電所から大野調整池までの水路を渡すために建設された橋です。全長 42.7m, アーチ径 30m の単アーチ橋で、当時としては大規模な支間長を実現しました。また、アーチ部にはノコギリの歯のような飾りが施されており、装飾性にも優れています。
第一号水路橋は、土木技術史的に重要な価値があります。初期の鉄筋コンクリート造橋梁として、大規模な支間長を実現した技術は、当時としては画期的なものでした。また、アーチ部に施された装飾は、近代化の進展を象徴するものとして評価されています。
第一号水路橋は、水力発電所の歴史や技術に触れることができる貴重な観光スポットとなっています。
日本三大奇橋「猿橋」
猿橋は、周囲の景観も良く、秋にはカエデやモミジ、イチョウが色づき、一層の美しさを醸し出します。
猿橋は、江戸時代から多くの人々に親しまれてきた橋です。橋の周辺には、猿橋に関する資料や展示を行っている施設もあります。
日本三大奇橋「猿橋」へ、ぜひ足を運んでみてください。