甲府城(舞鶴城公園)
甲府城は、山梨県甲府市にある平山城です。江戸時代初期に豊臣秀吉の命により浅井長政によって築城され、江戸の徳川家康けん制の目的で築城されました。現在は国指定史跡に指定されています。
- 築城
- 1583年(天正11年)
- 別名
- 舞鶴城
- 文化財等指定
- 国の史跡
- 天守
- 無し
- 料金
- 無料
- 営業時間・定休日
- 常時開放
- 最寄り駅・アクセス
- JR 甲府駅から徒歩 10 分(500m)
- 駐車場
- 甲府駅周辺に有料駐車場あり
- 城内にバス・体の不自由な人のみ利用可能な駐車場あり(事前予約制)
- 所在地
- 〒400-0031 山梨県甲府市丸の内 1-5-4
甲府城は、甲府盆地の北部、一条小山に築かれています。山梨県を代表する城郭の一つで、江戸時代には甲斐の守護神として重要な役割を果たしました。
甲府城の築城は、武田氏の滅亡後、関東の徳川家康に対抗するためでした。豊臣秀吉は、甲斐を支配する加藤光泰に命じて築城を開始させ、その後、浅野長政・幸長父子によって完成させました。
甲府城は、内堀・二ノ堀・三ノ堀で囲まれた広大な城郭です。本丸には天守台があり、その周囲には諸曲輪が配置されています。天守は現存していませんが、天守台からは甲府盆地を一望することができます。
甲府城は、江戸時代を通じて甲斐国の中心城として機能しました。将軍家一門や譜代大名が城主を務め、城下町とともに大きく発展しました。
甲府城は、現在は「舞鶴城公園」として整備されています。天守台や本丸跡などの遺構を自由に散策することができます。また、甲府城に関する資料を展示する「甲府城博物館」も併設されています。
オススメは鍛冶曲輪門からの入場
甲府城に入るにはいくつかの入口があります。甲府駅から近いのは北側ですが、北側は裏手に当たるため、南側から入場したほうが本丸までの道も雰囲気があって楽しめます。
特に歴史的な建造物に多く触れられる南西側の鍛冶曲輪門 から入るのがオススメです。
鍛冶曲輪門
鍛冶曲輪門(かじくるわもん)は、甲府城の楽屋曲輪と鍛冶曲輪をつなぐ門で本丸の南西側に位置します。現在は山梨県庁東門側から 甲府城へむかうところにあります。
鍛冶曲輪門は、発掘調査の成果から平成 9 年に復元しました。門は薬医門という形式で、前の親柱2本、後ろの控柱 2 本のうえに本瓦葺きの切妻屋根がのります。
屋根は前側に少しずれてのるので前の柱はやや太いものになっており、門の横には潜り戸がついています。
日本庭園
鍛冶曲輪門をくぐると、本丸までは日本庭園が広がっています。本丸までは、ゆっくり歩いても 5 分くらいです。
庭園の雰囲気が素敵です。優美なため時間がゆっくりと流れているように感じます。
桜が沢山植えられています。春にはこの道が桜で満開になり綺麗です。
通路の庭が落ち着いててゆったり散歩できます
石段を上がると、鉄門です。
鉄門
鉄門(くろがねもん)は、本丸と天守曲輪の南側の境にある、左右に石垣を有する 2 階建ての櫓門です。江戸時代初期に建てられ、明治初年に取り壊されましたが、2010 年から2011 年にかけて復元されました。
鉄門の名称は、門の扉が鉄製であったことに由来しています。門の扉は、鉄板を溶接して作られており、厚さは約1センチメートルにもなります。また、扉の周囲には、鉄の装飾が施されています。
鉄門の内部は、2階建てで、1階には弓矢や銃などの武器を保管する武具蔵が、2階には見張り台や居室があったと考えられています。
鉄門は、甲府城の重要な防御施設のひとつでした。門の扉が鉄製であったため、火縄銃の攻撃にも耐えることができ、城の防衛に大きな役割を果たしたと考えられます。
本丸
鉄門を通ると本丸エリアに入ります。天守は現存していないため、現在は広場になっています。
天守台があり、上ることができます。
天守台は展望デッキになっており、甲府市内を見渡すことができます。
天守台からの眺め(南側)
天守台からの眺め(北東側)
天守台からの眺め(北側・甲府駅方面)
天守台から本丸広場を見下ろす
稲荷曲輪(いなりくるわ)
天守台を降りて北に向かうと、稲荷曲輪に出られるので行ってみましょう。
天守台の石垣がとにかく壮大です。
稲荷曲輪に向かう坂道
こっちは坂道になっているので、階段無しで本丸広場まで来れると考えると、ベビーカーを押しているファミリーとかは北側から入場すると良いかもしれませんね。
稲荷曲輪に到着です。
稲荷曲輪は、本丸の北側に位置する曲輪です。江戸時代初期に築かれ、天守台や本丸と直結する重要な曲輪でした。
稲荷曲輪の周囲は、幅 10m, 深さ 6m の堀で囲まれています。堀の外側には、高さ 10m ほどの石垣が築かれており、城の防御を高める役割を果たしていました。
現在は桜が咲き誇る広場になっていますが、 稲荷曲輪内には、井戸や煙硝蔵跡、古い石垣展示など、往時の姿を今に伝える遺構が数多く残されています。
稲荷櫓(いなりやぐら)
稲荷曲輪の東側に、稲荷櫓(いなりやぐら) という武具蔵があり、中に入れます。稲荷櫓では展示が行われています。
稲荷櫓は 2 階建てになっており、それぞれ歴史的な出土品などが展示されています。
金箔鯱瓦(きんぱくしゃちほこがわら)
鯱瓦(しゃちがわら)
2 階には甲府城全体のジオラマ模型や、城壁の石の切り出しの様子などが展示されています。
桜の名所、甲府城。
甲府城は、江戸時代を通じて甲斐国の中心城として機能しました。将軍家一門や譜代大名が城主を務め、城下町とともに大きく発展しました。
そんな甲府城も、明治の廃城令で廃城となり、現在は「舞鶴城公園」として整備されています。歴史的な遺構を残しつつ、現在は静かに市民の憩いの場としてその姿を留めています。
一方で甲府城は、春になると約 160 本の桜が咲き誇る桜の名所としても知られています。桜は、天守台や本丸跡などの遺構を囲むように植えられており、遠くに見える富士山とのコントラストが美しく、多くの観光客が訪れます。
甲府城の桜の見頃は、例年 3 月中旬から 4 月上旬です。桜のライトアップも行われており、夜桜の散策も楽しめます。
豊臣秀吉が徳川家康を牽制するために築城された甲府城。
今はその歴史を背負って静かに佇む。しかしその存在は桜によって華やかです。
山梨県に旅行に行った際には甲府市へ赴いていただき、甲府駅からも近い甲府城へ足を運んでみてください。